あんたの真面目なところが好き。 優柔不断とも言える、優しさが好き。 困った顔で笑うのが好き。 人に気遣いができるところが好き。 あんたは私の好きな人。 やっぱり、高校生ぐらいだと彼氏もガツガツしてて、エッチ好きだった。 すぐにラブホやら自室やらに連れ込む彼氏に、辟易したものだ。 別にエッチは嫌いじゃないし、彼氏も好きだったからいいけど、たまに思ってしまう。 こいつヤりたいだけじゃねーの、と。 でもまあ、私も拒んで嫌われるのは嫌だから、ずるずるヤらせてたけどさ。 結局受験が忙しくなって、その後別々の大学に入ってフェードアウト。 まあ、そんなもんだよね。 ショックも受けてない自分がショック。 なんか冷めた。 そのせいか、せっかく大学入っても合コンも何も力が入らない。 大学入ったら色々遊ぼうと思ってたのに。 どうにもテンションあがらなかった。 受験が終わった後の燃え尽き症候群って奴だったのかもしれない。 友達は適当に作って、誘われたサークルにも2つ入った。 ひとつはお約束のオールラウンド系のテニスサークル。 もう一つは、活動内容不明な謎のサークル。 それでもテンションが上がらなかった。 適当に飲んで、適当に運動して、適当に遊んで。 テニスサークルの方は、飲みも多いし、集まり多いし金かかるしで、そのうち行かなくなってしまった。 半年たった今、私は謎の山岳サークルらしきものに参加している。 まだ一度も山登ってないけど。 いつ部室に行っても人がいないけど。 ただ部室で来てる人とだべって、誰かが置いてった漫画読んで、誰かが持ってきたお菓子食って帰るだけだけど。 たまに一緒に遠出するぐらい。 都内日帰りだけど。 そこで会ったのが、彼だった。 私以外に何人かいる真面目なサークル部員の一人。 私と同級生の、沢渡。 いつきても部室にいるから、なんとなく話している内に仲良くなった。 どうも押しが弱いらしく、聞いてみればサークルに言われるがままに入って現在所属8つ。 しかもそのどれもに律義に出ようとしていた。 話を聞くうちに呆れるを通り越して、怒りすら湧いてきた。 最初はちょっと遠慮した仲だったが、だんだん沢渡のへたれっぷりにイライラしてきてた。 ので、私がこの謎サークル以外はほぼ切らせた。 名前だけ残しておきゃいいのに、全く真面目だ。 バイト代をすべてサークルにつぎ込んでいたのもアホだ。 いつか倒れるぞ。 そう、沢渡は真面目で実直で、誠実で優しい。 なんかそんなような褒め言葉を並べておけばとりあえずこいつを語れる。 まあ、優しさ通り越して優柔不断と紙一重っていうか、むしろ優柔不断だ。 でも、今までいなかったタイプの男に、私は興味をひかれた。 大学に入ってから、ずっとロウで低空飛行だった私のテンションは、彼に出会ってようやくギアチェンジされそうだった。 「何、またノート貸してるの!?」 「いや、だって、彼女たちも困ってたし………」 「それで自分が困ってたらしょうがないでしょ!」 私に怒鳴られて、沢渡は困ったように眉を下げて笑った。 この困ったような笑顔が、結構好み。 とても沢渡らしい笑い方だと思う。 優しくて穏やかな沢渡らしい。 でも、優しいのにも限度がある。 「自分のレポート書く時にノートがないって、アホか」 「ご、ごめん」 「私に謝ってどうすんのよ。さっさと取り戻して来なさい」 「いや、でも、俺が貸したんだし」 「コピーさせときゃいいのよ!文明の利器ってもんを知らないの!?」 沢渡は今気付いた、というようにそっか、とつぶやいた。 こいつは頭いいのに、本当にアホだな。 地方から出てきたらしいけど、田舎の人間てのは全員こんなに純朴なのだろうか。 こいつと話してると、なんだか自分が汚れた人間のように思えてくるわ。 「そっか。じゃ、じゃあ頼んでくる」 「なんであんたのもの返してもらうのに頼むのよ!馬鹿!いっそ金を取れ!」 「そ、そんなことできないよ」 「あー、もう私も行くわよ。ほら、行くわよ」 「あ、ま、待って、みゆき」 さっさと学食の安っぽいプラスチックトレイを持ち上げて席を立つと、沢渡も焦って付いてきた。 さっと私のトレイを取り上げる。 ちらりと長身の沢渡を見上げると、にこっと笑った。 その含むところのない笑顔に思わずちょっとキュンとしてしまう。 こういうのが自然にできちゃうのが、タラシなんだ、こいつ。 優しくて、真面目で、背が高くて、気がきいて。 ちょっと優柔不断なところさえ除けば非の打ちどころのない男。 まあ、そこも私がしっかりしていればいいことだし。 なにより、女の子に優しくて気を遣う男なのに、すこしもがっついたところがない。 優しくされた先にある、下心を感じないのだ。 男と話しているとどうしても感じてしまう、いやらしさがない。 すごく自然に、優しい。 呼吸するように自然に、人に優しくできる人。 高校の頃のがっついた彼氏と比べて、とても落ち着く。 そんな穏やかさが、好きだ。 そう、テンションがハイに入った私は、彼が気になり始めていた。 沢渡は結構モテる。 高校時代は、おもしろいやつとか、運動できる奴とか、受験期に入ると勉強できる奴とか。 そういう奴がモテていた。 でも大学に入ると、誠実なやつってのが結構モテるようになった。 高校時代とかと違ってクラスがないから、接点を作らなければ誰とも知りあえないけど、それでも語学の授業とか、専門授業とか、そういうのでよく一緒になる人たちとはコミュニティみたいなものができる。 その中で、沢渡は割とモテていた。 まあ、この人畜無害の小動物みたいな男がモテないはずもないか。 でも、ずっと私が一緒にいるせいで、沢渡は彼女持ちってことで認識されていた。 まだそんな仲ではないが、周囲の誤解を解くつもりはない。 ざまーみろ。 誰がこんな良物件渡すかつーんだ。 これは私のもの。 しっかりマーキングしておいてやる。 それに沢渡も特に文句も言わないし、結構いい感じなのではないだろうか。 こいつ、性欲ないんじゃないかぐらいに下心感じないからよく分からないけど。 でも絶対、こいつ私が好きだし。 男女含めて、私が一番仲いい自信あるし。 ガツガツしてないところが魅力だけど、あんまりガツガツされないのも自分に魅力がないのではないかと思って、ちょっと不満。 女って勝手なもんだな。 でも、今度の恋愛は急ぐつもりはなかった。 このままじわじわと既成事実を作ってしまって、なし崩しに襲えばいいや、と思っていた。 そのもくろみがまさか根本から覆されるとは、思ってもみなかった。 「じゃあ、沢渡、またな」 「あ、うん」 待ち合わせの学食に行くと、沢渡がなんか知らない男と話していた。 私の顔を見て、ちょっと会釈するとその男は去っていく。 ちゃらくて派手な外見は好きじゃないけど、まあ、感じは悪くない。 沢渡、男友達少ないのに珍しい。 席に着くと、沢渡が自然に私の荷物を取り上げて隣の席に置く。 「何、誰?」 「あ、3つめのテニスサークルの、先輩」 「へえ、どうしたの?」 「俺が最近出てこないから、心配してくれたみたい。いつでもいいから、出て来いって」 「またあんた利用されてないでしょうね?サークルの存続のため、とかパシリ扱いのためとか………」 「先輩はそんなんじゃないよ!」 珍しく声を荒げる沢渡に、私は言葉を飲んだ。 まさか沢渡に怒鳴られるとは思わなかった。 私はよく怒鳴っているが。 「…………」 「あ、ご、ごめん」 「う、ううん」 直後に、沢渡はすぐに謝った。 相変わらずの困り眉。 びっくりしたけど、確かに沢渡だ。 一瞬別人かと思った。 「でも、先輩は、そんな人じゃないよ。サークル誘ってくれた時も、俺が道に迷ってたら案内してくれたり、その後も色々お世話してくれたんだ。履修方法教えてくれたり、飲み連れてってくれたり」 たどたどしく、けれどちょっと嬉しそうに説明する沢渡にむっとする。 誰よりもこいつの世話をしているのは、私だという自信がある。 あんなぽっと出の男に負けるわけがない。 この恩知らず。 「へー」 「すっごい、いい人なんだ」 「そう」 「なんか、怒ってる?さっきはごめん」 ムカムカしてるんだけど、こんな風にすぐに謝られると何も言えなくなる。 ったく、このへたれ。 その困り眉に、なんでも許してしまう。 「ま、いいけど」 「悪かったよ。ケーキおごる。食べにいこ」 困ったように、優しく笑う。 そしてこの気遣いに、ほだされてしまうのだ。 「あの、さ、みゆき」 「ん?」 しっかりとおごってもらった私は、ミルフィーユをどう崩さず食べるかに集中していた。 なので、真剣な顔をしていた沢渡の言葉をさらっと流す。 「ちょっと、話があるんだけどさ」 「何?」 「その………」 様子がおかしいのに気づき、私はようやく顔を上げる。 そこには、視線を落として落ち着かない様子の沢渡。 「どしたの?」 「………えっと」 あ、と。 これは来たかな。 ようやく来たか。 半年以上かかったなあ。 結構長かった。 この温い関係も気に入っているけど、やっぱりちゃんと付き合いたい。 手をつないで、でかけたい。 キスしたい、抱きしめたい。 ぶっちゃけヤりたい。 がっついた彼氏が嫌だったとかいいながら、むしろ私がケダモノだ。 でも、この無性欲な、童貞臭い男が、どうやって私に触れるのか、興味がある。 私は、こいつに発情してる。 「どうしたの?」 私はちょっと声を和らげて、にっこりと笑う。 こっちから言ってもいいけど、せっかくなら言わせたい。 あ、ドキドキしてきた。 どんな風に言うんだろう。 言われたら、きっと嬉しいんだろうな。 「みゆきなら…、きっと大丈夫だと、思うんだけど…」 「何が?」 「………できれば、ひかないでほしい。軽蔑されても、仕方ないけど」 別に軽蔑なんてしない。 ふったりしないし。 むしろどんとこい、ウェルカム。 「何言っても、軽蔑なんてしないよ。あんたのことだもん」 そう言うと、沢渡は泣きそうに顔を歪める。 そんなに怯えなくてもいいのに。 私、そんなに怖かっただろうか。 ちょっと殴りすぎただろうか。 「………ありがとう」 それでも泣きそうな顔をのまま、沢渡はしばらく逡巡する。 言葉を口にしようとして、閉じる。 それをしばらく繰り返す。 私はちょっとイライラしてきたけど、黙ってそれを見つめている。 まあ、待つのも一興。 そしてようやく決心したのか、沢渡が彷徨わせていた視線を上げた。 よし、きたか。 「その」 「うん?」 「俺、先輩が好きなんだ」 「そっか、わたしも………て、え?」 あれ、なんか今予想と違う言葉が出てこなかったか。 あれ、なんかおかしい。 「やっぱり………軽蔑、するよな……」 いや、軽蔑するとかそういうんじゃなくて。 好きなんだ、の前にくる言葉がおかしいだけで。 おかしくない? このシチュエーションで、なんかおかしな言葉が出てこなかったか。 「………えっと、先輩って?」 先輩、確か先輩って言ったよな。 私はこいつの先輩じゃないし。 あ、もしかして色々世話してやってるから先輩扱いとか? けれど、沢渡は絞り出すような苦しい声で、また予想外のことを言う。 「さっき、会った、先輩」 沢渡はまた視線を落として、唇をかむ。 握りしめたコーヒーのカップが、小刻みに揺れている。 カタカタと音を立てて、コーヒーが零れそうだ。 困った奴だなあ。 零したらもったいないじゃないか、なんてぼんやりと思った。 「へ、変だよな。やっぱり…、俺、変なんだ…、ごめん、変な話して、ごめん…」 「………えっと」 頭の中が混乱して、状況が理解できない。 とりあえず、まず、私は失恋した訳か? えっと。 予想外。 あ、なんか、すっごくショックだ。 頭ん中真っ白。 「………」 「ごめ、ごめん、な……、本当にごめん……、気持ち悪いよな…」 黙っているのをどう思ったのか、俯いたままの沢渡の声が震える。 私は依然として、何を言ったらいいのかわからず混乱している。 高校時代の彼氏と別れた時だって、こんなショックじゃなかった。 「気持ち、悪いよな、俺のこと、嫌いに、なるよな…ごめっ」 別に、気持ち悪いとは思ってない。 だた、気に入らない。 あんたが好きなのが、私じゃないのが気に入らない。 男に負ける? しかもあんなチャラい、頭悪そうな男に? 私がこんなにこいつが好きなのに? こんなに世話してやったのに? 「……男が好きなの?」 「………昔から、男しか、好きに、なれなくて………ごめん、な、気持ち悪くて、ごめん………」 ひたすらに謝る沢渡。 まるで自分が生きているのが罪、というようにただ自分を卑下し続ける。 伏せた顔の下、ぽたり、とテーブルに水滴がつく。 声が、ますます震える。 まあ、男が好きっていうのは正直引く。 どうしよう。 ていうか、私も泣きたい。 私の方が泣きたい。 私は、あんたが好きなんだよ。 このうすらボケ。 「ごめ、んな、変で、ごめん、気持ち悪くて、ごめん……」 泣くな。 泣くなよ、この馬鹿。 泣きたいのは、私だよ。 泣かせてよ。 ねえ、泣かせてよ。 苦しいよ。 悲しいよ。 痛いよ。 「ほんっと……ごめん………」 だから、泣くな。 そんな風に泣かれたら、何も言えなくなってしまう。 思いっきり罵ってやろうか。 変態、気持ち悪い、おかま、死ね、とでも言って再起不能になるまで叩きのめしてやろうか。 ショックと悲しみによる、残酷な想いがこみ上げる。 私がこんなに苦しんだから、同じぐらい苦しめ。 罵って、大学中にいいふらしてやろうか。 あんたの好きな先輩とやらにも。 ふつふつとこみ上げてくる、黒い感情。 抑えきれない。 だって、私だって悲しい。 私の方が悲しい。 それなのに。 なのに。 「ごめ、んな………、でも、みゆき、なら平気、だと思って………」 そんなことを言うから。 そんな、甘えた言葉を言うから。 私はあんたの困り眉が好きだから。 何よりも、困ったような笑顔が好きだから。 「………え」 私は、その頭を撫でてしまった。 柔らかい感触の、黒いまっすぐな髪。 触り心地がいい。 ずっと、触りたかった。 「………ばーか」 「………み、ゆき」 「男がぐじぐじ泣いてるんじゃないよ、この馬鹿」 あんたにふられたなんて、私のプライドが許さない。 男に負けたなんて、なんて屈辱。 なんて、間抜けな私。 期待して、付き落とされて。 泣きたい。 でも、泣いてなんてやらない。 そんな惨めなことになるなんて、認めない。 私は強くて、あんたをひっぱっていく存在。 あんたが、私を信頼しているというなら。 「何を言っても、軽蔑なんて、しないよ」 だったら、私はあんたの望む私でいてやる。 「先輩と、一緒にでかけたんだ!」 「へえ、よかったじゃん。ついでに押し倒しちゃいなよ」 「できるか!」 嬉しそうに好きな男のことを語る沢渡を、殴り倒してしまいたい。 今まで、自分の恋愛を誰にも言えなかったらしくて、堰切ったように私に色々話してくる。 ウザイ。 ムカツク。 いまだ、私の胸はじくじくと痛む。 だって、あんたが好きだから。 一緒にいればいるほど、あんたが好きになっていくから。 なんか、調べたらゲイの男に惚れる女は結構いるみたいだ。 優しくて。 真面目で。 誠実で。 下心がなくて。 そりゃ当然だ。 女に興味がないんだから、下心なんて持ちようがない。 その上、マイノリティの性癖で苦労しているせいか、気遣いが半端ない。 女を穴と見ている男と違って、女性らしい細やかさも持ち合わせている。 あれだ、奴らは女性に対しては、無害なのだ。 ただ、無害で優しい。 少女マンガの王子様みたい。 女の喜ぶツボをすべて押さえている。 なのに、女には手の届かないガラスケースの向こうの花。 「あー、もったいない!」 「何が?」 しまった、思わず声に出てしまった。 私はなんでもない、と言って、溜息をついた。 途端に、沢渡は顔を曇らせる。 「あ、ごめん………、嫌だよな、こんな話」 確かに嫌だ。 聞きたくもない。 でも、聞いてやる。 昔なんか酷い目にでもあったのか、沢渡は臆病だ。 何かあったのかと聞いても話したがらない。 ただ、夏休みも実家に帰ろうとしないところを見ると、その辺に理由があるのだろう。 男友達をあまり作れないのは、もしばれて気味悪がられた嫌だから。 女友達が少ないのは、女性とどう付き合ったらいいか分からないから。 全般的に人づきあいが苦手なのだ。 こんなに人がいい奴なのに。 「大丈夫だよ。私は何があっても、あんたを軽蔑したりしない」 だから、そう言ってやる。 だって、私が引っ張ってくれて、とても嬉しかった、なんて言われちゃね。 みゆきが声をかけてくれて、本当にうれしかった、なんて言われちゃね。 しょうがない。 男同士ってことで、最初は引いたけど、今は特に何もない。 まあ、実際何かしてるところ見た訳じゃないし、嫌悪感もない。 多分なにかしてるところ見たら引くだろうけど。 私が気に入らないのは、こいつが私を好きじゃないってことで、こいつが先輩を好きってことじゃない。 「コクっちゃえばいいのに」 「………そんなの、できないよ」 また、泣きそうに顔を歪める。 その悲しそうな顔は胸がしくしく痛む。 胃がキリキリと痛む。 こいつが可哀そうっていうのと、私が可哀そうっていうのと。 両方。 私もあんたも、両方可哀そう。 苦しい恋をしているのは、自分だけだと思うなよ。 でも。 「まあ、話聞くことしかできないけど、それくらいならいくらでもしてあげる」 それが私の女のプライド。 あんたの友達で、いてあげる。 あんたが好きだなんて、絶対に明かさない。 そんな惨めなことしてあげない。 いずれ、ほかに好きな人作って、結婚して子供でも産んだら白状してもいい。 実はあんたが好きだった。 でも、あんたなんて、選ばなくてよかった、って。 だって。 「………ありがとう。みゆきは、本当にいい奴だよな」 そうやって、泣きそうな顔で笑うあんたが好きだから。 困り眉で笑う、優しいあんたが好きだから。 あんたの友達でいてあげる。 ずっとずっと、友達でいてあげる。 見守ってあげる。 「でしょ。感謝して」 「うん、みゆきと会えてよかった」 その言葉で、満足してあげる。 「みゆきが、友達で、よかった」 あんたの真面目なところが好き。 優柔不断とも言える、優しくが好き。 困った顔で笑うのが好き。 人に気遣いができるところが好き。 あんたは私の好きな人。 そして私は、きっとずっと、あんたの一番の女。 |