「おはよう友ちゃん、好きだよ」
「はい、おはよう」

挨拶と共に、頬にキスをする。
夜の間に少し伸びた髭が顔にあたる。
そのちくちくした痛みが、くすぐったくて笑ってしまう。

「何笑ってんだよ」
「わ」

寝ぼけたままの声で、目を開けないまま友ちゃんの腕が私をベッドに引き寄せる。
思い切り友ちゃんの上に倒れこんでしまう。

「ちょ、と、友ちゃん?」
「もうちょっと一緒に寝よう」
「だ、ダメだよ。もう起きなきゃ」
「まだ大丈夫」
「だめだよ、友ちゃん」

慌てて大好きな腕から逃げ出すと、熱くなった自分の頬をぺちぺちと叩く。
朝からこれは、中々に心臓に悪い。

「ち」
「ち、じゃないよ、もう」
「はいはい、おはよう」
「おはよう、友ちゃん、今日も好きだよ」
「ん」

しぶしぶベッドから抜け出した友ちゃんが、今度は軽く私の唇にキスを落とす。
何度されても、ふわふわとして、幸せ。

友ちゃんの寝顔が見れて幸せ。
友ちゃんと朝の挨拶ができて幸せ。
キスができて、幸せ。

今日の幸せ、これで4個目。

「朝ごはんできてるよ」
「とりあえずシャワー浴びてくる」
「うん」

友ちゃんがシャワーを浴びている間に、私は手早くテーブルを整える。
パンが焼けるぐらいに、ちょうどよく友ちゃんが髪をタオルで拭きながら現れた。

「おー、いい匂い」
「できてるよー」
「ああ」

半渇きの髪を、受け取ったタオルで腕をのばして拭く。
されるがままになりながら、友ちゃんは席につく。

「ん、うまい」
「えへへ、ありがとう」

コンソメスープを一口飲んで、友ちゃんが満足そうに笑う。
その顔だけで、私は胸がいっぱいになって、心があったかくなる。

今日の幸せ、これで5個目。

「あ、今日外で待ち合わせて買い物行こう」
「え、なんで?」
「もうすぐ誕生日だろ?物色しにいこう」

うわ、うわわわ、これはすごい。
これは幸せカウント10ぐらいいっちゃうんじゃないかな。
今日は中々快調。
100ぐらいいっちゃうんじゃないかな。

これで+373。

幸せの数が続く限り、私は頑張れる気がする。
ずっとずっと、そばにいれる気がするよ。
頑張るよ。
一緒にいれるように、幸せをカウントし続ける。

「ありがとう、友ちゃん、大好き」
「ああ」

大好きです。
友ちゃんが大好きです。

ずっとずっと、傍にいたいです。





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