駆ける駆ける駆ける。


息が苦しい。頭が痛い。
けれど足は動く。

走らなければ。

なぜ?
なぜ走るのか?
わからない。

でも走らなければ。
追いつかれてしまう。

何に?
わからない。

こんなに走っているのに、なぜか体が冷たい。
体が冷たく、氷のようだ。
今にも、足が凍りついてしまいそうだ。

でも走る。
まだ足も動く。

右手だけ、温かかった。
この右手の温もりが、今の自分のすべて。
温もりにすがり、走る。



駆ける駆ける駆ける。

いつまで?
いつまでも。
どこまで?
どこまでも。





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