「そんなに怒らないでよー、ごめんなさいってば」
「うるせーこのオカマ!俺のファーストキスを返せ!今すぐ返せ、さあ返せ!」

赤くなった頬をさすりながら、先ほどからオカマはひたすら謝っている。
この変態強姦魔と二人きりで車内にいるのは危険すぎたが、頭を下げられお詫びと言われたら、電車で帰るのもメンドイし、遠いし、まだケツとかいてーし、しょうがないから送らせてやった。
しかし助手席に座るのは危険だから、後部座席だ。

オカマの車はなんだか想像通りのカッコイイスポーツタイプだった。
これで赤だったら盛大に笑いだしてしまっていただろうが、ブルーだったためまだ我慢できた。
正直、2シートの大きさだから、後部座席は狭い。
でも本革のシートは、めちゃめちゃ座りやすい。
頬を押えながらもステアリングは正確で、長い指でハンドルをさばくのはつい見とれてしまう。
くっそー、なんだ本当にこの無駄なイケメン。
何もかもカッコイイじゃねーか、よこせよ、そのステータス。

「本当にごめんなさいね。今時の子だし、キスくらい経験済みだと思ったのよ、ごめんなさい」
「うっせーな!俺は純情なんだよ!今時って言い方がおっさんくさいんだよ、このオカマ!」
「う、それ、素直に傷つくからやめて頂戴、おっさんての」
「おっさんじゃねーか」
「まだ若いわよ!アタシまだ28よ!」
「俺より10年以上上だろ、おっさん!」
「…もう、アタシおっさんなのね…。高校生からしたら、おっさん……アタシが高校生の頃、大ちゃん小学生、ああ…犯罪だわ…」
「ざまーみろ!悔しかったら授業中に訳も分からずち○こ勃ててみろ!」
「…若いわあ」

勝手にずぶずぶと落ち込んでいくオカマに、少しだけ気分が上昇する。
ったく、本当になんてことしやがる。
ちょっと甘い香りがする、アサノの柔らかい唇の感触が蘇る。
無意識に、人差指と中指で唇に触れる。
初めて、人に触れた、唇。

「あ、そうだ、大ちゃん、今日夕飯は?」
「うおおお!なんだ!って、いってえええ!」
「な、何!?大丈夫!?」
「なんでもねーよ!俺は無事だ!」
「え、そ、そう?」

突然話しかけられて、飛び上って驚く。
狭い車で無理やり後ろに後ずさって背中と尻を打ちつけて俺は思わず悲鳴を上げた。
くっそお…。
俺としたことが、動揺しちまったぜ。
このオカマ本当に油断も隙もねえ。
慌てて話をそらすために、アサノにケンカ腰に問い返す。

「なんでもねーよ、気にするな!それでなんだ!」
「えーとね、もしよかったら、お詫びに御飯おごるわ。あとはいいことした御褒美。どう?」

ちらりとミラー越しに目があって、問いかけられる。
その言葉に、俺は考えることなく脊髄反射でうなづいていた。

「食う!」
「お家とか大丈夫?今度でもいいんだけど」
「平気!家にメシねーし!おごれ!」
「ふふ、本当に大ちゃんてかわいいわあ」
「うっせーな、かわいいって言うな!俺はかっこいいんだよ!」
「あ、ごめんなさいね、それで何食べたい?」
「高くて旨い飯!」

俺の言葉に、アサノは一瞬沈黙した後、狭い車内で盛大に笑いだした。



***




「な、なあ、俺、こんなところ入って平気…?」

俺はアサノの後ろから、眼の前に広がるゴージャス!ってのを絵にかいたような店を見上げる。
瀟洒な白い洋館で、成金っていうじゃなくて、なんか落ち着いてて、上品なんだけど、貧乏人は帰れっていうムードを漂わせていて、俺はひたすらビビっていた。

なんでこんな都会の真ん中に庭とかあんだよ。
店員さん、ドアの前で待ち構えてるし。
俺、絶対「ぷ、何こいつ。お前みたいながくんじゃねーよ、一昨日来い」とか思われてるよ。

アサノの広い背中の後ろに、こそこそと隠れて、ダークグリーンの趣味の悪い背広をつかむ。
とりあえず、逃げるなら今だ。
アサノは肩越しに振り返って、青くなっている俺に首を傾げる。

「あ、制服でも平気よ、ドレスコードあるような堅苦しい店じゃないから」
「いや、そうじゃなくて…、なんつーか、俺、THE場違い、つーか…」
「大丈夫よー、そういうのうるさいお店でもないわ。知り合いの店なの。でも、高くておいしいわよ。アタシの懐のレベルで、だけどね」
「な、なあ、俺吉牛とかでいい。庶民が立ち入っちゃいけないところな気がする。絶対そう。俺には牛丼とかファミレスがお似合いです。ごめん、すいません、許してください」
「く、くくく、も、もうやめてよ、笑わせないで。平気だってば」
「いや、本当に許して!ごめんなさい!」
「ほらほら、行くわよ」

ダッシュで逃げようとしたところで、首根っこをつかまれた。
そのまま抱えられるようにポーチを進み、エントランスについてしまう。
くっそ、この馬鹿力、デカ男。

「ちょ、ほんと、無理!お願い無理!」
「はいはい、男の子がぐだぐだ言わない」

そっと不自然ではないタイミングで、扉が開けられる。
スーツを着た人好きする笑顔をした中年の男性が、俺たちを向かいいれ、頭を下げる。
アサノはそれに会釈して、ほほ笑む
なんだこの、慣れてまーすっていう余裕は。
激しくムカつく。

「いらっしゃいませ、浅野様」
「お久しぶり、今日は急な予約でごめんなさいね」
「いいえ、浅野様のご来店を心待ちにしておりました」
「そう言ってくれると嬉しいわ」

静かに出てきた別の店員に手慣れた様子で俺の荷物と上着を預け、最初のおじさんの案内に優雅についていく。
俺はアサノの腕をつかみながら、とりあえず目立たないようにすることで必至だった。
い、今のお兄さんも思ってる、絶対思ってる、こいつ、空気読めよ、とか思ってる。
俺だってこんな店にふさわしいとは思ってねーよ!
悪かったな、庶民だよ、キングオブ庶民だよ!

「大ちゃーん、大丈夫よ、そんな怯えないでよ」
「ううううう、うるさい」

ぽんぽんと背中を叩くアサノにも、小さく悪態を付くことしかできない。
屈辱だ。
こんな変態にいいようにされるしかないとは。

品のいいおじさんに案内されたのは、小さな個室だった。
淡いクリーム色を基調とした、やや暗い照明の落ち着いた部屋だ。
これ、絶対男同士で使う部屋じゃないだろう
なんかうざいカップルが、君の瞳に乾杯、とかやってるのが似合いそうな部屋だ。
バカ野郎、俺が完敗だ。

おじさんに促されるまま、アサノと向かい側の席に席をかける。
なんで椅子を引いてくれるんだよ。
いいって、座れるって、一人で座れるって。
アサノはメニューも見ずに、なんか注文してる。
だけど俺はそれどころじゃねえ。

なんだ、このナイフとフォークの山は。
無駄だろ、どう考えても無駄だろ。
箸が一本あればいいだろ、事足りるだろ。
グラスもなんで何個もあるんだよ。
一個でいいだろ。
なんだ、演奏でもする気か。

「それでは、ごゆっくりおくつろぎください」

おじさんが優雅に一礼して出て行く。
パタン、と静かにドアが閉まり、ようやく俺は大きなため息をついて、肩の力を抜くことができた。
そんな俺の様子を見て、アサノがムカつくことにくすくすと笑っている。

「ほら、個室よ、これなら怖くないでしょ」
「すでにこんな豪華な個室の時点で怖いんだよ、バーカバーカ!個室で飯なんて食ったことあるか!」
「今は居酒屋とかだって個室ばかりでしょう」
「個室あるような居酒屋なんて行ったねえよ!」
「うーん、わからないわあ。これがジェネレーションギャップってやつ?」
「うるさい、このセレブ!お前なんかに庶民の気持ちがわかってたまるか!」
「別にセレブじゃないわよ。大ちゃんだって、大人になったら彼女連れてこういうところ来るのよ」
「うっせー、どう考えてもこんな高い店来れるか!馬鹿にしやがって!いいかここが吉牛だったら俺の勝ちだ!俺のホームグラウンドだ!お前なんて泣いて帰るんだからな!今日はちょっとアウェイなだけだからな!」

メニューも見ないで注文してやる、特盛りネギだくたまごのせだ。
アサノになんかできるわけがない。

そこまで言い切ると、アサノはテーブルにつっぷした。
小刻みに震え、揺れている。

「な、なんだよ」
「あっははははは、も、もうやめてよ、大ちゃん。ほんっと、かわいすぎ」
「だ、だからかわいいって言うなっつってんだろ、このオカマ!」
「あー、もう卑屈なんだか男前なんだか、素直なんだかひねくれてんだか分らないわ。すごいいいわあ」
「喧嘩うってんのか、この変態!」

緊張しっぱなしで、無理やりこんなところ連れてこられて俺の機嫌は底辺まで下降していた。
アサノの低いが、女言葉の笑い声はものすごく勘に触り、ますますムカムカしてくる。

だが、俺の不機嫌は食前酒が来て、前菜が来るころには消え去っていた。
機嫌が上昇したというか、上限を軽く突き破って突破した。
そして同時に、緊張感とかテーブルマナーとか礼儀作法とか場の空気を読むとかそういうのもふっとんだ。
ていうかさっきから同じことしか言えない状態だ。

「すっごい、うまい、おいしい!」
「そう、よかったわ」

アサノはワインなんか飲みながら上機嫌にニコニコとしている。
俺はまだ未成年だから、ってなんかジュースとかにされた。
食前酒も代りにジュースだった。
くそ。
でも、搾りたてのジュースはすっごいうまいからまあ、いい。
酒そんな好きじゃないし。

ていうかそれ以上に、今口にかっこんだ肉がうますぎる
何この口に広がるワンダーワールド。
生まれてきて感謝しますって、感じ。
神様ありがとう。

「うまい!これ何の肉?」
「そちらは小鹿となっております」

給仕をしていたさっきのおじさんが穏やかにほほ笑みながら答えてくれる。
たぶん、さっき説明されてたはずなんだけど、その前に出ていたスープがこれまたうまかったから聞いてなかった。
おじさんごめん、さっきからテーブルマナーも何もなくて。
でももういいや。
絶対こんな店もうこねーし、恥かこうかなんだろうか、知るもんか。
アサノが次来づらくなるぐらいだ。
俺の知ったこっちゃねえ。
とりあえず今、俺は食事にすべてをかける。

「おいしいー、鹿っておいしんだな、そういえば修学旅行で行った奈良に鹿いっぱいいたなあ。うまいのかなあ」
「あれはおいしくないと思うわよ」
「鹿せんべいはおいしくなかった」
「食べたの?」
「うん」

何とも言えない顔をしているが、そんなの気を取られていられない。
このテーブルに広がる匠の技を、無駄にしてはいけない。
すべてを余すことなく感じ、堪能する。
それが俺にできる、ただ一つの、この食事への最大の礼だ。
すっごい奇麗にナイフとフォークを操るアサノが肉を俺の皿に分けてくれる。
俺はもちろん飛び上って喜んだ。

「アサノーアサノーおいしいーおいしーおいしいよー」
「よかったわねえ、連れてきた甲斐があったわ」
「俺今、すっげー幸せー」
「そう、なんかアタシも幸せよ」

アサノも本当にうれしそうに表情を和らげている。
あー、やっぱりイケメンだな、こいつ。
変態でおかまだけど。

でもなんか、もうどうでもいいや。
なんか、幸せすぎてどうにかなりそうだ。
うまいメシって、とろけるような気分にさせてくれるものなんだ。
おじさんすっげ感じよくていい人だし、アサノも思ったより悪いやつじゃないし、肉くれるし。
吉牛とかでかっこむ飯もいいけど、高くて旨い飯って、マジいい。

そんな幸せに浸っていて、途中の口直しだかなんだかの、シャーベットかなんかを食べている時だった。
ポケットに入っていた俺のケータイの着メロが鳴り響く。

「あ」

食事中だし、とアサノに視線を向けると、アサノは頷いて出ていいわよ、と言った。
同席者の許可を得て、俺はズボンのポケットからケータイを取り出す。
うるさく鳴り響く音を一刻でも早く止めるために、名前も見ずに通話ボタンを押した。

「はい」
『大輔?今何してるの?』

それはうんざりするほど聞きなれた声だった。
女にしては低くてざりざりしてるけど、でも落ち着く、聞いていたくなる声。

「あ、千夏?今メシ食ってる。超うまい、もう最高」
『夕食?どこで?誰と?』

俺の最高の気分を分けてやろうとしているのに、千夏は俺の言葉にかぶせるように次々と質問を投げかけてくる。
いつもだったらムカっとするが、今最高の気分の俺は、寛大に素直に答えてやった。

「オカマのアサノと、高くて旨い飯食ってる」

しばらく、返答がない。
その間に、俺は付け合わせの草を口にいれた。
草すらうまい。
すばらしい、アンビリーバボー。

『………アサノ?誰?』
「アサノ、オカマだし、変態だけど、いいやつなんだよ、肉くれるし」
『……………』

また、返答がない。
なんなんだ、人に電話しておいて。
千夏は時々、テンポが悪い時がある。

「千夏?」
『アサノさんって、私知らない人よね、いつ知り合ったの?』
「今日、俺が階段落ちしたら、そこにいた」
『……………ちょっと待ってね、今整理するから』
「なんだよ?」
『えーとね、うん、落ち着くわ』
「訳わかんねー奴だな」
『階段落ちして、そこにいた人と、なぜ高くて旨いメシを食べてるの?』
「アサノがちゅーしたから」
『……………』

また、沈黙。
なんだろう、早く飯の続きがしたいのに。
そこで向いでその様子を眺めていたアサノが笑いをこらえるように口元を押さえながら口を出してくる。
なんか涙目になってる。
なんだ、なんでそんなに笑ってるんだ。

「だ、大ちゃん大ちゃん、よかったら交代してちょうだい。さすがにちょっと気の毒だわ」
「へ?なんで?」
「いいから、どなた?ご両親?」
「いや、俺の、えーと、………下僕1号」
「お友達ね。ね、もしよかったら代わってくれない?」

まだ口元をひくひくと引き攣らせながらも、それでも落着きを取り戻し、再度電話をよこせという。
行動の意味が分からず、俺はとりあえず千夏に聞く。

「なあ、千夏。なんかアサノがお前と話したいって言ってるんだけど」
『………アサノさんが?』
「ああ、どうする?」
『そうね、代わって。その方が話が早いわ』

千夏が同意する。
なんだ、この二人、実は知り合いだったのか。
何を話すことがあるんだ。

なんとなくのけものにされた気分になるが、仕方なく俺はケータイをアサノに渡す。
アサノはひとつ咳払いをすると、耳にケータイを当てた。
そして、ゆっくりと挨拶を始める。

「もしもし、はじめまして、アサノです。突然大輔君を連れまわしてご心配おかけしました」

丁寧に女言葉でなく、低い声で落ち着いて話すアサノ。
一瞬、別人かと思って、またたきする。
それは間違いなく、さっきまで目の前でチャラチャラしてた変態のオカマだ。
間違いない。
でも、なんか、かっこいい。
やっぱりカッコつけてるアサノは、かっこいい。
本当に無駄なイケメンだ。
ていうか、ちゃんと話せるんじゃねーか。

「ええ、ええ、はい、彼が駅の階段で転落しそうになった子供を助けて。ええ、そうです。はい、私は車を持っていたので、送らせてもらって、そのついでに。いえ、とんでもないです。私も彼に失礼なことをしてしまったので、そのお詫びも兼ねて、です。いえ、ちゃんと家まで送り届けますので。その後彼に連絡させますね。はい、はい。ご心配なく、いえ大丈夫ですよ」

なんか、俺とアサノが出会った経緯を説明しているようだ。
俺が言ったじゃねーか。
本当に千夏は人の話をきかねー女だな。
しばらく二人で話し込んだ後、アサノが俺に携帯を差し出す。

「はい、どうぞ」

受取り、再度ケータイに耳をあてる。
千夏は、先ほどよりも柔らかい声になっていた。

『まあ、どうも、そこまで危険人物じゃないみたいで安心したわ。ちゃんと、12時前には家に帰るのよ』
「ん?うん。そのつもりだけど」
『家に帰ったら、私に連絡して。あんた今日振られたとかいって、泣き言留守電入れてるから、どうしたのかと思ったわよ。ケータイ出ないし、家にかけても出ないし』
「あ、そっか!俺今日ふられたんだ、忘れてた!」

うっかりすっかり忘れていた。
そう俺が叫ぶと、千夏は呆れたように溜息をついた。

『………まあ、その異常なまでの打たれ強さが、あんたのいいところでもあるけどね』
「わりーわりー、帰ってまだ遅くなかったら、電話すんな」
『遅くてもいいから、電話して。いいわね』
「いちいちこまけーなー」
『大輔』
「わかったよ」
『じゃあ、高くて旨いメシをじっくり食べてきなさい。危ないことになりそうだったら、逃げるのよ、いいわね』
「あ?うん」

なんか最後までうるさく言っていたが、俺はとりあえずうなづいて、ようやく通話が切れた。
最後まで何か言いたげだったが、まあ後で聞けばいいか。
いつも千夏は、小うるさい。
ケータイをポケットにしまうと、アサノが赤ワインを傾けながら問いかけてくる。
やっぱ、マジかっこいい。
くっそー、悔しいな。

「千夏ちゃんて、大ちゃんと同い年?」
「ああ、幼稚園から一緒でタメ」
「すっごいしっかりした子ねえ。なんか、大ちゃんの保護者みたい」
「ああ!?あいつは俺が面倒みてやってんの!俺の下僕1号なの!わかったか!」
「はいはい」

みんな誤解している。
あいつの世話を見ているのは俺であって、俺はあいつの親分なんだ。
憤慨する俺の気をそらすように、アサノは別の話題を持ち出す。

「大ちゃん、今日ふられちゃったの?」
「ああ、そういえば、ふられてた」
「またすっごくあっさりしてるわね」

だって、なんか色々ありすぎて、許容量いっぱいいっぱいだった。
もちろん思い出すと辛いし、悲しいけれど、終わってしまった恋だ。
最初から、ダメだと分かっていた恋だ。
千夏に愚痴をこぼして、泣いて、そして、また新しい恋を始める。
そんな、いつもの恋だった。

沈黙した俺に、アサノは気を使ったのか自分のシャーベットを口に入れてくれる。
俺はそれをありがたく頂いて、ほおを緩める。

「大ちゃんをふるなんて見る目のない女ねえ」
「いや、男」

うっかりさらっと言ってしまったことの意味を、俺はその直後に、ようやく理解した。





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