09/12/27 深山に会えて嬉しい

今日は深山の家に行った。
昨日作ったクッキー持って行った。
おいしいって言ってくれた。
嬉しい。

顔を見ると動悸息切れが激しい。
でも嬉しい。
楽しい。
やっぱり俺は深山に恋をしているようだ。

男なんだけどな。
付き合うって言ったのもノリだったんだけど。
不真面目な人間だから男と付き合うのもアリだろって思っただけなんだけど。
実際付き合ってみると、心って動くものなんだな。
思い込みの力だろうか。
興味深い。

男なんだけどな。
まあ、いいか。
些細な問題だ。

お弁当もおいしかったって言ってくれた。
僕が作ったものよりずっとおいしいって。
嬉しい。

深山の学校は23から休みに入っているらしい。
さすが私立だ。
うちはインフルの学級閉鎖の影響でいつもより休みが遅い。
そこで気付いた。

なんで金曜日、制服着て駅前にいたんだ。
聞いたら気まずそうな顔をした。
それで答えた。
君がお弁当を作ってくれると言うから。

アホだ。
こいつ本当にアホだ。
本当にこいつアホだ。
アホすぎる。
頭いいけど、とんでもなくアホだ。
そんで、そういうアホなところがたまらなく大好きだ。

恋しているって自覚したら、なんだかどんどん好きになってきた。
深山が大好きだ。
だから伝えた。

深山が好きだ。大好きだ。

深山は驚いた顔をしていた。
それから顔を真っ赤にした。
そして照れくさそうに笑った。

僕も君が大好きだ。
君のおかげで色々なことを知ることが出来た。

それは俺の台詞だ。
中学校の三年で陸上に対する情熱失って、惰性で部活やってて、盲腸やって面倒だから退部した。
それからだらだらと惰性で生きてきた。

それが今こんなに楽しいのは、深山のおかげだ。
俺は深山が、好きだ。
大好きだ。


09/12/28 世界がバラ色

今日ようやく終業式だった。
それなら金曜日にしてくれればいいのに。
インフルめ。

深山は明日から家族でハワイに行くらしい。
本当にセレブだ。
やっぱりちょっとムカつく。
俺なんてテフロンフライパン買うか買わないかで迷ってるのに。

でも会えるのが今日までだから長く会っておきたい。
早く終われ学校。

柴村にニヤニヤしてると言われた。
世界がバラ色だと答えておいた。
ひいてた。

バイトもサボってしまいたい。
二人でイチャイチャしていたい。
でも出来ないから働いた。
コーヒー飲みながら本を読んでいる深山も好きだからいいか。
どうしても深山を見てニヤニヤしてしまう。
かっこかわいい。
好きだ。
店長さんに控えてって言われた。
すいません。

結局帰る時しか一緒にいれなかった。
手繋いだ。
ドキドキした。
勃ちそうだった。

明日から会えない。
寂しい。

深山も寂しいっていってくれた。
やっぱり寂しい。


09/12/29 深山に会いたい

せっかく休みに入ったのに、深山がいない。
寂しい。
つまらない。
初めての恋人のいるお正月だったのに。
恋人か。
照れる。
いないけど。

走ったり、お昼ご飯作ったり、お菓子の本読んだりしてたらバイトの時間になった。
早めにいったら夢を追いかけるフリーター伊野さんがいた。

前に会った男の子と付き合ってるんだって?て聞かれた。
店長が目をそらした。
またか。
まあ、いいけど。

全力で肯定した。
どんなところが好きなのって聞かれた。

くそ真面目で融通効かなくてアホでかわいくて、金銭感覚ないお坊ちゃんだけど素直で人のいうこと聞くし俺の馬鹿な話でもちゃんと聞いてくれるし。

辺りまでいって止められた。
本当に好きなのね、て言われた。
大好きです。

早く深山に会いたい。


09/12/30 恋について

深山に会えないせいか、深山のことをめちゃめちゃ考えている。
大丈夫か、俺。
色々と。

今深山どうしてるかな、とか。
深山に会いたいな、とか。
深山が照れくさそうに笑った顔ってかわいくていいよな、とか。
ぎゅーっと抱きしめたいなあ、とか。
真面目で融通きかないところが玉に瑕だけどそこがいい、とか。

寝ても覚めても深山だ。
料理の練習してても、これ食べたらおいしいって言ってくれるかな、とか。
もっと料理とお菓子の練習して深山に食べさせたいな、とか。

恋ってすごいな。
そしてよくよく考えたら、俺はこれが初恋な気がする。
今まで誰か好きになったことってあったっけ。
女の子がかわいいなって思うことはあったが。
こんなドキドキすることはなかった。

初恋か。
それならしょうがない。
でも考えすぎて心臓壊れるんじゃないかと思う。
頭も半分ぐらい壊れかけてる気がする。

母さんにもにやにやしているって言われてしまった。
暇はまずいな。
隙があれば深山のことを考えてしまう。
走って料理して勉強しても考えてしまう。

去年の今頃は何してたっけ。
部活で最後の大会でれなくてそれを引きずって、それから受験勉強に追われてた。
思い出しても真っ暗だ。

それなのに今はどうだ。
バラ色だ。
恋ってすごい。
深山ってすごい。

とか深山のことをずっと考えていたら深山でヌいてしまった。
どうしよう。
なんだこの罪悪感。
後ろめたくなってきた。

そもそも俺は深山とやりたいのか。
手をつなぐのは好きだ。
ハグをするのもされるのも好きだ。
触るの、好きだな。

キスしたいだろうか。
ものすごいしてみたい。
やりたいだろうか。
男同士ってどうやってやるんだろう。

色々考えたらまた勃ってきてしまった。
若いな。
我慢した。

さすがに罪悪感だ。
男同士のやり方、調べてみよう。


09/12/31 大晦日

大晦日だ。
とりあえず大掃除した。
普段から掃除はしてるから別にそんなすることはない。

終わったら暇になった。
母さんがおせち作ってたから手伝ってみた。
煮物の作り方とか昆布の結び型とか参考になった。
娘が出来たみたいと言われた。
ひいてた。
何が悪い。

去年は何してたかな。
部活の連中と夜に初詣行ったっけ。
受験の合格祈願含めて。
最高に落ち込んでたな。

今年はどんな一年だったかな。
前半は最低だった。
走るの好きだったけど、才能ないって気付いて、部活の連中にもウザイって思われてるって知って、何もかもやる気なくしてた。
ずーっと落ちてて、復活したのは後半だ。
深山に会ってからだ。

気分転換だった。
不真面目になれるかなと思ってノリで付き合ってみた。
でもなんか毎日に張り合いでてきた。
こんな駄目駄目な俺でも好きだって言ってくれる人がいるってすごい救われた。
俺よりもクソ真面目で融通効かない深山が好きになった。
そんで、自分がちょっと好きになった。
料理が楽しくなった。
走るのが好きだって、思い出した。
バイトも楽しい。
店長さんもいくみさんも伊野さんもテンホウさんもいい人だ。
世の中、楽しいことがいっぱい落ちている。

そういうこと分かったの、深山のおかげだ。
会ってまだ二カ月も経ってないのに、今は深山でいっぱいだ。
深山が好きだ。

夜に柴村からクラスの奴と初詣行くから行かないかって誘われた。
いい奴だ。
行くことにした。
今までだったら行かなかったかもしれない。
友達とか作るの、怖かった。
また嫌われるのは、嫌だった。
でも柴村も横井さんも八代さんも、みんないい人だ。

初詣にはクラスの奴らが結構来てた。
あんまり話したことない奴らばっかりだったけど、楽しかった。
みんなで甘酒飲んだ。
寒かったけど、温かかった。

今年はいい一年だった。
来年もいい年であれるように、頑張ろう。


10/01/01 お正月

日付変わった辺りで深山から電話があった。
飛び上がった。
わざわざ国際電話で新年の挨拶してくれた。
馬鹿だ。
金がもったいない。
でも嬉しい。
嬉しすぎる。

早く会いたいって言った。
ちょっと無言になってから、僕も会いたいって言ってくれた。
嬉しい。

ハワイはまだ大晦日の夜明け前だっていっていた。
そういえば海外には時差というものがあった。
海外なんて行ったことないから分からないけど。
わざわざ起きて電話してくれたのか。

どうしよう。
嬉しすぎて泣きそうになった。
なんで深山は俺が嬉しいことばっかりするんだろう。
それとも俺が深山が好きだから嬉しいんだろうか。
どっちでもいい。
嬉しい。

俺も深山に明けましておめでとうがいいたい。
電話代がもったいない。
………確かに。
メールをくれ。webメールだったら見れる。
えーと、こっちだと何時になるんだっけ。
19時、夜の7時だ。
バイトだ。
無理はしなくていい。
絶対送る。
本当に無理はしなくていい。

そんなやりとりをして切った。
もっと話したかった。
でも電話代もったいない。
とりあえず携帯からでもメールは送れる。
店長さんにお願いして送らせてもらう。

今日は正月で混むということで昼からバイトに入っていた。
一日そわそわしてしまった。
店長さんに落ち着かないわね、って言われた。
よくないな。
金もらっている以上はしっかりと働かなければ。
気を引き締めて働いた。
でもやっぱり落ち着かない。

店長さんにお年玉もらった。
5000円。
申し訳ない感じ。
でも嬉しい。
これでお菓子道具なんか買って、お返ししよう。

7時10分前に休憩もらってメールを打った。
色々迷ったけど、シンプルにした。
書くこといっぱいありすぎて、まとめられなかった。
7時ぴったりに送った。

あけましておめでとう。今年もよろしく。

すぐに返事が来た。

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
今年も君と、色々なことをして過ごしたい。

うん、俺も過ごしたい。
今年も深山と仲良くできますように。


10/01/02 勉強

今日も昼からバイトだった。
暇だし、金欲しいからちょうどよかった。
色々欲しいものがありすぎて困る。

今日は夕方までいくみさんの当番だった。
いくみさんは苦手だ。
今日も元気に色々話していた。
半分以上覚えていない。
常連の野川屋さんが楽しそうに俺たちの会話を見ていた。
真面目に返事していると疲れるよて教えてくれた。
分かった、不真面目に聞こう。

野川屋さんは近くでフルーツ中心の八百屋をやっている若いお兄さんだ。
うちの喫茶店のパフェとかに使うフルーツもここから仕入れている。
野川屋は店の名前らしい。

いくみさんが隙を見て色々深山とのことをつっこんできた。
どんなところが好き?
優しい?
昔から男が好きだったの?

一つ一つ正直に答えた。
どんどん不機嫌になっていった。

そんなに幸せそうにしてられるのは今のうちなんだからね。
そのうちでっかい障害とか起こったりケンカとかしたり倦怠期とか来るんだから。

それは呪いか。
嫌な人だ。

でも今はラブラブです、と言ったら余計に不機嫌になった。
野川屋さんがたしなめてくれた。
助かった。

どこまでいってるの?って聞かれた。
1時間ぐらい離れた山まで。
殴られた。

A、B、C!?って怖い顔で聞かれた。
なんだそれ。
それは古いよって野川屋さんが大爆笑していた。
キスしたの!?してないの!?

してません。
いくみさん怖い。
なーんだって残念そうだった。

してません。
でもしたいです。

とは言わないでおいた。

帰って全然使ってないパソコンでネットをしてみた。
男同士のこと調べてみた。
なんかいっぱい出てきた。

なんとなくわかった。
エグイ。
怖い。

ひとまずこれは保留。





前のページ   表紙   次のページ